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PROJECT STORY01

シニア向け
分譲マンション
デュオセーヌ 国立

地域を巻き込み、
超高齢化社会に対応した
「住むことで健康になれるマンション」
を開発。

Outline

2010年代初頭からスタートした、フージャースのシニア向け分譲マンション事業。それは、フージャースが掲げる「欲しかった暮らしを、しよう。」というスローガンをまさに具現化したものです。超高齢社会を迎えて、需要があるのに供給できていない住まいをソーシャルデベロッパーとして形にしていく。2019年に竣工したアクティブシニア向け分譲マンション「デュオセーヌ国立」は、その集大成ともいえるプロジェクトでした。

フージャースコーポレーション 取締役
フージャースケアデザイン 取締役

Tamon
Sato

2004年入社

法学部卒。ファミリー向け分譲マンションの営業に携わった後、2010年頃から志願して新規事業の開拓に挑み、シニア向け住宅に大きな可能性を感じて事業の起ち上げを担う。「デュオセーヌ国立」の開発プロジェクトでは事業責任者を務めた。

SECTION01

シニア層にも多彩な暮らし方を。
新時代の終(つい)の棲家(すみか)として、
いままでにないコンセプトの住宅を
社会に提案。

-このプロジェクトの背景を教えてください。

そもそも私たちがアクティブシニア向け分譲マンション開発に取り組んだのは、健常な高齢者の方々のニーズに応える住まいが世の中に非常に少ないという問題意識からでした。当時、介護保険法の施行もあって、公的な給付があり必然性として介護を前提とした施設は増えていたものの、前向きに住みたいと思えるような高齢者住宅は非常に少ないという印象でした。そこで、健常なシニアに向けて「住むことで健康になるマンション」という、いままでにないコンセプトで住宅を供給すれば評価されると考え、事業を起ち上げたのです。

それまで20㎡が一般的な広さだった高齢者向け住宅に対して、当社では3倍の60㎡を標準に掲げ、医療・介護のサポートに加え、天然温泉やレストラン、さまざまなコミュニティスペースなど共用部の機能も充実したものへ。私たちが目指しているのは、そこに住むシニアの方々が心地よい時間を過ごせることはもちろん、誇りを持って子どもや孫たちを迎えることのできる住居でした。 その結果、私たちの狙い通り、事業は大きく成長しました。その過程でノウハウも蓄積され、また、経済的にゆとりのあるお客様から「地元にこんなマンションができたらぜひ購入したい」という声が高まっていた折、東京都下で人気の高い国立エリアで広大な敷地を仕入れることができ、「デュオセーヌ国立」の企画がスタートしました。

SECTION02

特殊な地形を活かし、
プライベートからパブリックへ、
グラデーションのある空間で
入居者と地域を繋ぐ。

-プロジェクトを進めるなかで、課題をどのように解決しましたか。

まず課題の一つ目は、土地の形状が特殊なことでした。開発用地は十分な広さがありましたが、東西に非常に長くて南北が短く、道路に面しているのが東側のみ。穴倉のような土地であり、しかも隣接するのが車検場や入国管理局。現地を視察すると、老朽化した団地が四棟ほど廃墟になっており、荒涼とした雰囲気が漂っていました。競合のデベロッパーも開発の仕方に苦悩し敬遠している土地だとのことで、およそマンション開発に向きそうにない場所でしたが、こうした悪条件を私たちが開発を担うことで、現地周辺の荒涼とした雰囲気を変えたい。そして入居者の方々が、ここで暮らすことに誇りを持っていただける住まいにしたい。そんなビジョンを掲げて開発に取りかかりました。

しかし東西に細長い穴倉のような用地をどう活用すればいいのか、それはかなりの難題でした。プロジェクトに関わる企画、建築、営業、運営のメンバーたちと徹底的に議論を重ね、最終的に導き出したのが、グラデーションで地域と繋がる住まいにするというコンセプトです。
まず道路に面している東側の敷地に公園を整備し、その公園と接する形で施設の東端にレストランを設置。ここは地域のみなさんにも開放し、人が集う場にすることで街に潤いもたらします。そして、レストランの奥に入居者専用の共用ラウンジ、その奥側に住戸や温泉大浴場を設けました。。入居者同士で交流したい方はラウンジへ、外部から訪れる人とコミュニケーションしたい方はレストランへ、地域の人と積極的に触れ合いたい方は公園へと、“プライベート”な住戸から“パブリック”な公園までグラデーションのある空間にして、入居者の方々に無理を強いることなく地域と繋がるような施設にしたいと考えたのです。ここに至るまでは喧々諤々でしたが、プロジェクトメンバーがみな、いままでにない施設にしたいと懸命に知恵を絞り、このデザインを描き出せたことが開発成功の大きな要因だと思っています。

SECTION03

強い想いで行政をも説得し、
自ら描いた理想を形に。
入居者にとっての不便も、
逆転の発想で魅力に変える。

-描いたデザインを実現する上で、どのような苦労がありましたか。

開発用地内にパブリックな公園を作ることが、この開発プロジェクトでは重要なポイントのひとつでした。不特定多数の方が利用される公園は、原則的に行政に移管する必要があり、その際は公園自体を柵や塀などできちんと囲うことが通例になっていました。しかし、私たちが描いていたのは、公園とレストランがそのままグラデーションで繋がる空間であり、柵や塀などを設けてしまうと本プロジェクト自体の魅力が失われてしまう。そこで行政にも理解してもらうために、周辺地域の自治会の方々にも私たちの考えを伝えて賛同を得て、この開発がいかに地域にとって有益であるかを当局に何度も訴え、ついに特例として認めていただきました。

また、この建物は東西に長い造りであるため、西端の住戸にお住まいの方は、東端のレストランまで100mに及ぶ内廊下を歩行しなくてはなりませんでした。当初、それは大きな負担になると問題視していましたが、逆に廊下を移動することが、健康維持のための散歩になると発想を転換。移動していただく1階の内廊下の両壁に武蔵野の自然を感じていただける季節折々の写真や絵画を飾って美術館のような雰囲気を出し、楽しみながら歩いていただける工夫を施したのです。乗り超えなければならないハードルはたくさんあったものの、理想の住まいに想いを馳せて、自らアイデアを振るうことでそれが徐々に形になっていく。そこに私は当社で開発を担う醍醐味を覚えています。

SECTION04

私たちの開発が、
街の表情を大きく変えた。
地域住民との交流が、
ここでの暮らしをさらに豊かに。

-このプロジェクトは、どのような成果をもたらしましたか。

「デュオセーヌ国立」は2019年に竣工しましたが、世間から高い評価をいただき、2020年度のグッドデザイン賞も受賞しています。併設した公園は周辺の住民の方々の憩いの場となっており、保育園の園児たちのお散歩コースにも使われ、マンション周辺の地域の表情が一変しました。公園で入居者の方々と周辺住民のみなさんが交流し、いろんなコミュニティが自然発生して地域が明るくなっており、それはまさに私たちが望んでいたこと。入居者の方々の満足度も高く、ここに住むことで心身ともに健康になれるマンションを提供できたと思っています。

-このプロジェクトを経て、これから挑戦したいことは何ですか。

「デュオセーヌ国立」の成功を受けて、その後も首都圏で次々と新たなシニア向け分譲マンションの開発を進めています。この事業をさらに成長させる組織体制を築いていくことはもちろん、すでに私たちが提供した物件には何千人という健常な高齢者の方々が暮らしており、そうした入居者のみなさんの健康データを収集分析することで、「住むことで健康になるマンション」というコンセプトをさらに追求していきたい。また、私たちが営むこの事業は、超高齢社会に対応する取り組みであり、ここで培われたノウハウはこれから世界でも必要とされていく。ゆくゆくは、今後高齢化が進むアジアなどの国々にも事業を展開したいと考えています。

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