歴史と品格が息づく街の、プライベートな邸宅。
建築コストの高騰や人手不足、また開発用地の減少など、幾つもの条件が重なり、新しい分譲マンションを開発するハードルは年々高くなっています。そして、暮らし方や価値観も多様化し、住まいにも画一的な正解ではなく、その場所や住む方に応じた価値が求められるようになっています。
そんな中、ハイエンドという非常に限られたお客様に対して、私たちが暮らしを提案する機会となったのが、今回の「デュオヒルズ目白三丁目」です。
都内でも有数の高級住宅地の目白。明治期に開発された「徳川ビレッジ」に連なる形で「デュオヒルズ目白三丁目」は誕生しました。
今回は、「デュオヒルズ目白三丁目」(以下、DH目白三丁目)のプロジェクトストーリーをご紹介します。
邸宅街・目白3丁目との出会い
舞台となった目白三丁目は、JR山手線目白駅から徒歩8分。都心の利便性を備えながらも、山の手ならではの落ち着いた空気が流れる高級住宅街として知られる街です。
この街の歴史は、尾張徳川家第19代当主・徳川義親侯爵が、明治19年に本邸の敷地内に「徳川ビレッジ」という33戸の邸宅を作ったことから始まりました。
今回、偶然にも私たちにご縁があり、その徳川ビレッジに隣接する形で、マンションを開発することになりました。
「立地や住環境の良さなど、申し分ないほどの素敵な場所です。一方で、歴史の中で培われてきた街並みに連なる眺望や外観デザインに対しては、プレッシャーと不安でいっぱいでした」と、建築担当は振り返ります。
最高の立地に見合う建築を
プロジェクトは、どのような方に選ばれる住まいなのか、そしてその方々が暮らしに何を求めているのかを考えることからスタートしました。
まずはイメージを膨らませようと、他社が手がけたラグジュアリー物件の見学とヒアリングを重ねていきました。そして、それぞれが得た知見を持ち寄りながら、理想の住まい像を探っていきました。
リサーチを重ねるにつれ、徐々にそこでの暮らしぶりがクリアになっていきます。たとえば、こうした住まいではプライバシーへの配慮がより重要視されること、お手伝いさんをお願いしている家庭が多く、居住者とお手伝いさんの動線を住戸内で分けて設計することなど、気づきの連続です。
これらの過程を経て、DH目白三丁目は、都心の利便性を必要としながらも、穏やかな住環境や街の品格に価値を感じるご家庭を思い描きながら住まいづくりを進めることになりました。なんといっても徳川ビレッジに隣接していることはこの場所ならではの魅力ですから、「東京が誇る邸宅街の傍に連なる」をコンセプトに、緑豊かな街並みや、グローバルな住民コミュニティ、その時代を超えて紡がれる空気感など、この土地が持つ特別な価値に連なることを目指しました。
街並みに連なるデザイン
今回の開発で最もこだわったのが外観デザインです。隣接する徳川ビレッジと徳川黎明館の石塀の水平ラインに調和するように、大きな庇が入居者を静かに出迎える設計になっています。また、クラシカルな趣とモダンなエッジを両立させることで、歴史ある邸宅街にふさわしい様式美と品格を演出するよう作り込みました。
また、共用部のデザインでは「上品さ」「洗練さ」「重厚感」の3点を意識して、余計な装飾はあえて設けずに、シンプルでシンメトリーな設計に仕上げています。こうすることで洗練された雰囲気を作り出したかったのです。ラウンジも同様にシンメトリーなデザインをベースに仕上げて、空間を引き締めるアクセントとしてブラックを取り入れ、重厚感も感じられる空間づくりを意識しました。
また、外からマンション内が見えないよう、アプローチの扉を2枚にし、さらに、1枚目の扉には模様入りのガラスを採用しました。照明計画にも配慮することで、外から中のプライバシーが確保されつつ、一方で建物内からは外の様子を感じられるように配慮しています。
9戸の邸宅
DH目白三丁目は全9戸の居室からなり、設備仕様や家事動線、住戸からの景色など一邸ずつこだわりを持って作り込んでいきました。特に景色においては、計画段階で窓の取り付け予定位置からドローンで撮影を行い、どのような景色が見えるのかを確認しました。こうして、窓の位置と大きさを一つひとつ設計しながら、周辺の緑や歴史ある街並みを最大限に借景として活かせる設計を追求しました。
「ここまでするのかと最初は驚かれましたが、この場所の良さを活かすためには、絶対に踏んでおきたい工程でした」と、建築担当は言います。
もちろん間取りにも、余念がありません。昨今は専有部の空間の使い方として、部屋数を減らして、全体を広々と使う住まいも多く見られます。しかしDH目白三丁目ではそれぞれの専有面積が十分にあることもあり、様々なライフスタイルに柔軟に対応できるよう、部屋数をあえて多く作りました。また、全9戸すべてを異なる間取りで設計し、それぞれに特徴を持たせています。
より良いものを追い続ける
冒頭でも触れた通り、住まいの考え方が画一的な「量」から価値を求める「質」へ転換し始めましたが、今回のようなラグジュアリー物件は、まだ数多く皆様の身近にある訳ではありません。私たちにとっても例外ではなく、プロジェクトを通じて最後まで向き合い続けたのが「今検討している仕様や間取りは、本当にお客様に喜ばれるものなのか」という問いでした。そのため、今回パートナーとして設計に入っていただいた、都内で多数のラグジュアリー物件を手がけるアーキサイトメビウス株式会社様をはじめ、社外の知見も得ながら、丁寧にプランを作り上げていきました。
当時を振り返り、建築担当は「誰にも正解がないからこそ、この場所や価格に見合った物件を仕上げているという強い自負と、よりお客様のことを考えた時に、さらに良いものがあるのではと追い求める気持ちがありました。暮らしの質を高めるために、配管や専用設備といった細部にも目を向け、限度がある中で最高の作品を作ることを、ぶらさずに最後まで持つことを意識していました」と言います。
こうして2026年2月に、DH目白三丁目は竣工。お客様からは、希少性の高い立地、デザインのクオリティや間取り、資産性の高さなどをご評価いただきました。
今回のプロジェクトを踏まえ、次回チャレンジしてみたい仕様も、すでに私たちの中には明確にあります。今後、今回のようなラグジュアリー物件に携わる機会は、徐々に増えてくるかもしれません。
より多くのお客様に喜ばれる暮らしをお届けできるように、私たちとしては、その第一歩を踏み出せた、非常に思い出深い物件になりました。
