完成までのストーリー

空と水辺が彩る、
出島での暮らし。

2026.7

鎖国時代にも海外に開かれた街、長崎。そして、その玄関口となった出島。隣接する水辺の森公園は、市民の憩いの場所として親しまれているのはもちろん、長崎市へ発着する大型船舶の玄関口として、日々賑わいを見せています。
また、公園周辺には美術館などの美しい建築物が建ち並び、長崎港を中心に周囲の山々、水辺の森公園、歴史的な建築物が織りなす景色は、長崎の人々が愛する唯一無二の絶景です。
そんな市民にとって特別な場所、出島エリアでの暮らしを想像し「ここにしかない景色を暮らしの中に取り込みたい」そんな想いを胸に、本プロジェクトは始まりました。
今回は、「デュオヒルズ出島水辺の森」(以下、DH出島水辺の森)のプロジェクトストーリーをご紹介します。

希少な立地

西九州新幹線の開業とともに、長崎市内では駅周辺の再整備事業や市街地の大型再開発が進んでいます。「100年に1度のまちづくり」ともメディアからは称され、マンションの建設も進みました。
DH出島水辺の森は、長崎電気軌道「メディカルセンター」電停徒歩1分、JR長崎本線「長崎」駅徒歩22分、長崎水辺の森公園に隣接して構えています。
水辺の森公園に隣接したこの土地は、元々は港湾法によってマンション等の共同住宅の建設が制限されている場所でした。しかし、2022年に一部区分変更が行われ、縁あって私たちがマンションを建てることになったのです。

水辺の森公園
水辺の森公園

私たちフージャースとしては、「デュオヒルズ長崎宝町(2023年11月竣工)」に続く市内で2棟目のプロジェクト。この土地の歴史的な背景や、港として日々大切なお客様をお迎えする場所としての役割を考えると、「絶対に良いものを作りたいという気持ちと、見えないプレッシャーに押しつぶされそうになる」という思いを抱くほど、誰もが分かるこの場所の貴重さに、武者ぶるいを覚える。そんな感覚をメンバー全員が持っていたように思います。

水辺と隣接した立地(右側手前がDH出島水辺の森)
水辺と隣接した立地(右側手前がDH出島水辺の森)

絶景と共に暮らす

長崎という街の特徴の1つは、景色。長崎市は、一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューローが認定する「世界新三大夜景都市」に選ばれています。由緒ある希少な立地で、景色が抜群に良い。その良さを最大限に活かすにはどうしたらいいかと、私たちはリサーチを重ね、今回の物件のコンセプトを作り上げていきました。

コンセプトは、「絶景と共に暮らす」。
水辺の森公園に面して開き、既存の美しい建物と調和する景観を叶えながら、長崎港や対岸の稲佐山の景色とも調和する。マンションが風景の一部となりながら、その眺望を取り入れることで、「絶景と共に暮らす住まい」を目指すことにしたのです。そして、この街に愛着を感じられ、最後の住まいを持つことを考える方々の暮らしに向き合っていくこととしました。
メンバー全員で町を歩き、この景色に惚れ込み、この唯一無二の絶景を自分たちが活かさなくてはいけないという自負があったから、出来上がったコンセプトです。

マンションも夜景の一部に
マンションも夜景の一部に

シンメトリーに整える

今回のプロジェクトでのこだわりの1つが、外観です。例えば、バルコニーは最小限に留めて、柱の位置を調整して縦のラインを整え、主要な開口部に上下サッシを採用しています。

マンション外観
マンション外観

この場所は景観条例が厳しく、「水辺の森公園や山からの夜景の見え方」が審査基準の一つとなっていました。同時に、毎年7月に行われる「ながさきみなとまつり」の花火や、1年を通じて広がる壮大な海と自然の緑を楽しむには、バルコニーから身を乗り出すよりも、大きなサッシで室内から眺める方が美しく見えるのではと考えたこと、バルコニーを作ることで「マンションっぽい雰囲気」が出てしまうのを避けたことが背景にあります。
長崎の玄関にあたる場所だから、景色の中にある建物としてのあるべき姿と、暮らしのシーンを照らし合わせ、そこに最も似合う建物をと考えたのです。

各階で間取りが異なり、柱の位置の調整は、構造担当泣かせの仕事でしたが、この苦労があったからこそ、水辺と青空を繋ぐ縦のラインが美しいシンメトリーな外観を作り出すことができました。
離れたところから見るとわかりますが、外観は平和の象徴の鶴をイメージして、鶴が羽を広げた様子を描いています。その姿は、港に入ってくる船の帆のようにも見えます。

細かな点にはなりますが、景色という観点では、隣接する長崎県立美術館と同じ砂岩タイルを用いることで、水辺に佇み周囲と調和した外観を目指しています。

マンションエントランス
マンションエントランス

美しい景色を、共用部でも

最後まで慎重に検討を行ったのが、マンションを街に開くかどうか、という点でした。

DH出島水辺の森で日々を過ごす方は、自分たちの生活空間を大切にしたい、外から内部空間を隠したい、というお客様が多いことが推測されました。そのため、運河沿いの遊歩道とマンションは塀で仕切り、エントランスラウンジも外から見えないプライバシーを重視した設計も、案の1つにあがっていました。しかし、そうするとせっかくの景色を住戸でしか楽しめない。それでいいのだろうかと、私たちは心の底から悩みました。

結果、マンションのコンセプトに立ち返り「部屋から見た美しい景色を、共用部でも楽しんでほしい」と、物件と運河を隔てる塀は作らず、運河に向けて大きな開口を設置して、ラウンジを作りました。また、ラウンジの天井には、水の移ろいを反射させるステンレスパネルを採用することで、外の景色を内部に取り入れるように設計しています。
午前中、運河の水面が上がると、水面の揺れる光が天井に反射され、空間を演出します。ミリ単位で開口の高さ調整にこだわり、実現に至りました。

景色を望むことが出来るマンションラウンジ
景色を望むことが出来るマンションラウンジ

マンションを街に開き、敷地境界線になる塀を設けなかったことで、運河沿いの遊歩道への圧迫感がなくなり、水辺の森公園と連続した外構デザインを作り上げることも叶えることができました。
遊歩道には、在来種や長崎にゆかりのある樹種や花を選定して彩りを吹き込み、景観を整えました。また、遊歩道を利用する方々のコミュニケーションが生まれるようにと、敷地内にベンチを設置し、物件と遊歩道に緩やかな繋がりも作っています。
竣工後のある日、遊歩道は街の人の散歩道として使われており、ツツジの前で嬉しそうに写真撮影をしている親子の姿を見た時には、「チャレンジして良かった」と、ほっとしたのを覚えています。

街に開いた散歩道やアプローチ
街に開いた散歩道やアプローチ

街と人に向き合いながら

DH出島水辺の森は、市内で比較的高い単価設定だったにも関わらず、販売も順調に進んでいきました。内覧会の際には、訪れた方が窓辺に集まり、窓からの景色にわっと声が上がっていたことが、非常に印象的でした。この場所での暮らしを選択された多くのお客様から、「この景色の良さを決め手にしました」と言っていただける場面もあり、最後までこだわって良かったと、心から実感できた瞬間でした。

DH出島水辺の森は、長崎という街と、この街を好むお客様に向き合い生まれました。
自分たちの判断基準ではなく、お客様が何を望まれるのかを学ぼうと、九州全域にも目線を広げて、他のマンションのパンフレットをメンバー全員で読み漁り、求められるレベルの共通認識を作りに行きました。また、景観を叶えるために必要なことはやり切りたいと、街を歩いて気になった物件があれば、事業者さんに話を聞きに行きました。
そうやって集めた知見を整理して、一つずつ形にして、建築から営業、そしてお客様へ、確実に暮らしを伝えていきました。

マンションづくりには多くの人が関わりますし、時には意見が対立することもあります。その中でも、その街とお客様のことを考えて細部にまでこだわること。その積み重ねの先に、理想とする暮らしが具現化されていきます。この先も、お住まいになる方が望む暮らしを考え抜き、叶えていきたいと思います。

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