完成までのストーリー

沖縄の原風景と暮らす。

2026.8

那覇空港から16分、ゆいレール「牧志」駅や「安里」駅からほど近く、観光名所の国際通りも徒歩圏内という立地にありながら、やちむん(焼き物)の街として琉球王朝から続く歴史と文化を今に伝える那覇市壺屋。かつて各地の陶工が集められたことを起源に発展し、戦後の那覇復興が始まった場所とも言われています。

私たちが惹かれたのは、壺屋という街に残る文化や風景、そしてそれらが日常に息づく暮らしでした。

今回私たちは、この壺屋のメインストリートである「やちむん通り」に接続する形で、「デュオヒルズ那覇壺屋」(以下、DH那覇壺屋)をつくりました。以下、DH那覇壺屋のプロジェクトストーリーをご紹介します。

壺屋という街

今回の舞台となった那覇市壺屋は、空港や観光地へのアクセスに恵まれた中心市街地です。壺屋は古くからの陶芸の街として栄え、沖縄戦の被害が比較的少なかったことから、現在も赤瓦と石畳の街並みが残るエリアです。

壺屋周辺には、国際通りや牧志公設市場があり、土産物店や飲食店をはじめとする多彩な商業施設が軒を連ねています。一方で、地元の人だからこそ知る個性豊かなスポットも点在しており、観光客はもちろん、地域の人々にも親しまれているエリアです。こうした魅力を背景に、壺屋周辺を含む那覇市内では外資系ホテルの進出や新築マンションの開発も進んでいます。

そんな中で、壺屋のメインストリートである「やちむん通り」に接続する土地にご縁をいただき、フージャースとして初めて、沖縄で分譲マンションを建設することになりました。

壺屋やちむん通り
壺屋やちむん通り
壺屋を見守る「ビンジュルグヮー」
壺屋を見守る「ビンジュルグヮー」

日常の中にある面白さ

「いざ、壺屋」と、勇んで始まったプロジェクト。実際に現地に出向いてみると、マンションが隣接する「やちむん通り」の雰囲気に気持ちは高まりました。

しかし、この街の魅力をどう暮らしにつなげるのかは、また別の難しさがありました。DH那覇壺屋は、セカンドハウスとしての需要も想定されるプロジェクトです。だからこそ私たちは、「壺屋に住まいを持つ価値とは何か」を考える必要がありました。海辺のリゾートで過ごす時間とは違う、壺屋だからこそ味わえる暮らしとは何だろう。その魅力を暮らしの中で感じていただくためにも、明確なコンセプトが必要でした。

私たちは、早速周辺のリサーチを開始。それぞれが感じる壺屋の魅力を持ち帰り、コンセプトを練りました。やちむん通りはシーサーや石像、赤瓦屋根の古民家が並ぶ街並み、琉球石灰岩の石畳は迷路のように入り組み、散歩をするたびに発見があります。少し歩けば牧志公設市場の活気が感じられ、飲食店は地元の人々で昼間から賑わっていました。海だけではない、日常の暮らしの中にある沖縄の面白さ、この気づきをコンセプトにしたい。こうして「壺屋で暮らす。沖縄の魅力を発見する住まい」というコンセプトに辿り着いたのです。

デュオヒルズ那覇壺屋 外観
デュオヒルズ那覇壺屋 外観

原風景に溶け込む

私たちが目指したのは、壺屋の原風景を感じられる住まいです。
建築デザインにどこまで沖縄らしさを取り入れるのかは、社内でも度々議論になりました。そこで出た1つの解が、その場所の資源を生かすこと。つまり、沖縄独自の素材を使うことでした。

DH那覇壺屋は地上9階建てで、やちむん通りからも、よく見えます。中でも最もよく見えるバルコニーと外階段から、素材の使い方を考えていきました。

そこで、建物の顔となる外観には、沖縄の建築物で親しまれてきた花ブロックを採用しました。外から見ても、お住まいの方が住戸で過ごすときも、この場所らしさが感じられるよう、バルコニーの装飾にも取り入れています。また、外部階段は、タイルの素材感と貼り方にこだわり、琉球王朝の象徴的なモチーフで首里城にも見られる「龍柱」を表現しました。タイルで龍の鱗を表現し、手摺が螺旋状に連なる形状と龍が昇っていく姿をリンクさせています。この龍柱をモチーフにしたタイル貼りのデザインをエントランスホールにも取り入れ、内と外で統一感のある空間を演出しています。

装飾を施したバルコニーおよび外部階段
装飾を施したバルコニーおよび外部階段
エントランスホール
エントランスホール

また、やちむん通りに面したアプローチは、私邸感を演出する赤瓦のゲートを設け、床には琉球石灰岩をふんだんに使用しました。歴史ある通りとつながる場所だからこそ、その街並みや文化と響きあう空間づくりを目指しました。もちろん、ゲートの屋根には、壺屋の陶工のシーサーも設置しています。

赤瓦のゲート
赤瓦のゲート
アプローチ
アプローチ

壺屋で過ごす時間

デザインの方向性を決めるのと並行して、住戸プランについても検討を重ねました。特に今回は、セカンドハウスとして利用される方から、この街を生活の拠点とする方まで、さまざまな暮らしに寄り添える住戸プランを考えました。

通常のリゾートマンションは、開放的で広々と暮らせることがポイントの1つになりますが、実需目的の場合は洋室を個室で利用したいという要望があります。そこで、50~60㎡台の住戸は2LDKを1LDKに変更したメニュープランを、40㎡台の住戸はLDKと洋室を一体としたワンルームのホテルライクなメニュープランを設定しました。

販売を開始してみると、セカンドハウスとして購入されるお客様が半数以上。メニュープランもご評価いただき、ニーズに沿った住まいが提供できたことを実感しました。

モデルルーム写真
モデルルーム写真

その土地の人が一番知っている

今回のプロジェクトを通して、私たちは改めて土地ごとの違いを実感しました。「壺屋で暮らす」というコンセプトを形にするためには、設計だけでなく施工の段階でも多くの工夫が必要でした。建物の品質を守るためには、塩害や台風など、沖縄独自の気候を加味して施工を進める必要があります。また、今回は沖縄らしさにこだわり、地元の素材も多く採用したため、その特性を理解しながら施工を進める必要がありました。そこで、私たちは現地の施工会社様に協力を仰ぎ、その土地ならではの知見をいただきながら、協議を重ねて施工を進めていきました。

普段は本州にいる私たちですが、なるべく同じ時間を共にしたいと、頻繁に壺屋に出向きました。デュオヒルズというブランドを理解していただくことからスタートし、今回の物件コンセプトであるデュオヒルズとしての意匠性と、沖縄の気候に適応した品質の両立を目指しました。施工会社様や設計事務所様との協力があったからこそ、手探りの状態から完成に至りました。

資源を活かすものづくりを

DH那覇壺屋を振り返ると、学びの多いプロジェクトだったの一言に尽きます。フージャースでは、立地の特性や土地の資源を活かすものづくりを重視しています。本プロジェクトではその大切さを改めて実感するとともに、体現する機会になりました。

購入者アンケートでは、DH那覇壺屋を選んでくださった理由に、立地に次いで、デザインを挙げてくださる方が多く、中には、あえて花ブロックがバルコニーについた住戸を購入してくださった方もいました。社内で沖縄らしさをどこまで出すのか、最後まで議論はつきませんでしたが、今回のコンセプトを認めていただいたようで、とても嬉しく思ったことを、完成した今でも思い出します。

今回の物件が、これからどのように街に根付き、住まう方々に愛されていくのか。今からとても楽しみです。

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