街のストーリー

美しい自然に囲まれたこの場所で、
心とからだの健康を育む。

2023.01

「人生100年時代」に突入し、健康の考え方にも変化が現れています。その1つが「予防医療」。病気になってから治療するのではなく、病気になるのを未然に防ぐことで、健康に穏やかに長く生活することが可能になるという考え方です。
私たちフージャースでは、全国の都市でマンションを分譲する中で、お客様から「病院がもっと近くにあれば…」という声をいただくことがありました。それを受けて、「いつか、病院を併設したマンションを作りたい」、そう思っていました。
今回ご紹介する「デュオサンテ旭川北彩都(あさひかわきたさいと)」を含む「旭川ウェルネスセンター構想」事業では、旭川に拠点を置く社会医療法人 元生会「森山病院」と連携して、医療と運動、食、生活を核に予防医療のサポートを受けながら、トータルで健康を維持できる拠点を実現しました。この事業は、2022年の完成まで約7年という一大事業です。
今回は、このプロジェクトの中心である社会医療法人 元生会の板垣優貴(いたがきゆうき)さん、株式会社柴滝建築設計事務所の星英樹(ほしひでき)さん、株式会社盛永組の櫛井一将(くしいかずまさ)さん、フージャース企画担当の野口朋之(のぐちともゆき)、計4名の取材を通してご紹介します。

星英樹(写真左から2番目)

株式会社柴滝建築設計事務所 専務取締役。旭川生まれ、旭川育ち。本事業のホテル誘致から関わる。森山病院をはじめとした関連施設の設計業務に留まらず、事業全体の管理進行役として板垣さんに伴走。

板垣優貴(写真右)

社会医療法人元生会 法人本部次長。旭川生まれ、旭川育ち。理事長の命を受けて、「旭川ウェルネスセンター」事業の立ち上げから完成までを担当。

櫛井一将(写真左)

株式会社盛永組 専務取締役。旭川生まれ、旭川育ち。旭川市の駅周辺再開発事業「北彩都あさひかわ」に関わり、その中核事業である本事業にも建築施工として参加。

野口朋之(写真右から2番目)

株式会社フージャースコーポレーション 企画開発本部。2018年から本事業に加わり、「ウェルネスセンター構想」の要を担う滞在機能の実現に取り組んだ。

医療の街 旭川

人口約33万人。北海道では札幌市に次ぐ第二の都市として栄える旭川市。旭川医科大学病院をはじめとして、多くの医療機関が集積しており、周辺町村と連携しながら地域医療のハブとしての役割を担っています。また積雪寒冷地であることや、少子高齢化が進む課題先進地域でもあります。その旭川で「予防医療普及のために、旭川ウェルネスセンターを作る」と森山病院が立ち上がったことから、今回の事業は始まります。

―森山病院が今回の事業を立ち上げたきっかけを教えてください。

板垣

森山病院は昭和27年に開設し、今年で創立70年です。現在は2代目になりますが、道北初の整形病院として事業を始め、救急医療も最初に立ち上げ、62年前には「健康・医療・福祉」が三位一体となって進む総合的医療構想を掲げた先駆的な病院です。
先代は、日本はいずれ少子高齢化を迎え医療費を削減する方向に向かうことを予見して、予防医療に力を注ぐべく、昭和47年には、旭川で初めてフィットネスクラブを作っていたというのには驚きです。時代を先取りしすぎたのか、そのフィットネスクラブは一時閉店しましたが、予防医療を自分たちで推し進めるという精神は現在まで続いています。
医療と運動、食、生活を核として予防医療のサポートを受けながら、トータルで健康維持できる拠点を作ろうと考えたのが、今回の「旭川ウェルネスセンター構想」です。まさに、森山理事長が昔から大切にしてきた思想を体系的に実現するものですね。

病院に飾られている開業当初の手術衣

住宅が建てられない

―2015年に公募で落札してから、完成まで7年と非常に長い時間がかかったと伺いました。その経緯を教えていただけますか。

板垣

本当に長い時間ですよね(笑)
実は、今回私たちが落札したのは3回目の公募なんです。2013年に開始されたのですが、建物の高さ制限があったり、金額のハードルがあったり、過去2回は応募者がいませんでした。3回目でやっとその条件が緩和されて、約5,300坪の広大な土地を、私たちが落札しました。けれど、ここからが本当に大変で。

当時のことを振り返る板垣さん(写真中央)

当初この土地には森山病院以外に、ホテル、カフェ、レストラン、フィットネスの建設が予定されていました。私はホテルの誘致からこの事業に関わっていますが、ホテルにしては約2,000坪という広い土地、見込み集客数も少ないということで、誘致は非常に難航しました。病院の設計だけが先に進み、他の計画はストップしたまま…。住宅を作りたい思いもありましたが、都市計画上、共同住宅を建てることができず、ただ時間だけが過ぎていきました。
そんな最中、2018年の年始のことです。知人の紹介でフージャースさんにお会いしました。

野口

病院の設計は進んでいる、建てるゼネコンも決まっている。けれど他が決まらないために着工できない…初めてお会いした時に、お二人は本当に困っていました。それを見たら、何かしなくては、そんな気持ちにかられましたね。
また、この土地が持つ可能性に絶対的な自信があったこともあります。駅を降り立って計画地までずっと続く緑のプロムナード、鏡池に映る鮮明な景色には、心の底から見惚れました。そして駅徒歩3分で病院が併設されているという不動産価値の高さもありました。
今回の開発が進まない最大の課題は、地区計画上の縛りをクリアした上で、ウェルネスセンター構想を実現しなければいけないということ。「ホテルでも共同住宅でもない、その他の方法で人が滞在できる手を考えよう!」と、板垣さん、星さんと会話を重ねて、ようやく辿り着いたのが「ヘルスケアコンドミニアム」でした。

旭川駅まで続く緑のプロムナード

―「ヘルスケアコンドミニアム」という言葉を初めて聞きました。どういったところに着想を得ましたか?

野口

ちょうどニセコで分譲していたホテルコンドミニアムを見て、そこから着想を得ました。自然公園法上、国定公園(自然公園区域内)では共同住宅を建てることはできませんが、所有権型の滞在施設である「分譲型ホテル」という用途、いわゆるホテルコンドミニアムとして一定の基準を満たせば、特例で建てることができるんです。
今回の計画は、医療・食・運動・生活からなる「ウェルネスセンター構想」の一角を担う滞在施設の整備が目的です。そこで利用者が予防医療のサポートを受けながら滞在できる施設を「ヘルスケアコンドミニアム」と定義して、利用者の生活を支える拠点としました。

当時の試行錯誤を振り返る企画担当の野口(左)と星さん(右)

そこからは毎日、都市計画課と建築指導課に足を運んで、調整を重ねましたね。
旭川市が掲げている「健康のまち」、森山病院が考える「ウェルネスセンター」、そしてシニア向けマンション事業に力を入れているフージャースが考える「ヘルスケアコンドミニアム」。この3者がいるからこそ実現できる事業であること伝え続けました。時にはフージャースの社長と旭川市副市長にも会議を設けてもらったこともありました。
行政と議論を重ね、ようやくヘルスケアコンドミニアム建設の承認を得ることができたんです。

野口

こうして、医療提供は森山病院が。食事は、管理栄養士が監修した健康食レストランを。森山病院の先代が試みたフィットネスジムは、理学療法士の指導の元、この場所で復活させました。

櫛井

工事が着工してからも課題は多く、新型コロナウイルスが流行りはじめ工事を10日ほどストップしたり、資材の高騰で金額の調整が難しいこともあったり、様々なことがありました。けれど、どんな時も全員がやれる方法を考え続けた結果、今回の事業は完成しました。それぞれが同じ景色を見て、そこに向かって一体感を持って進んでいった事業でしたね。

管理栄養士が監修した健康食レストラン
週替わりの「想いやりランチ」は 地域の食材を使ったメニューも
外の景色を楽しみながら運動ができるフィットネスジム

真冬でもコートがいらない

こうして2022年2月、先んじてオープンしていた森山病院に続いて、「デュオサンテ旭川北彩都」、フィットネスジム、健康食レストランが完成しました。寒い日でも、コートを着ないで併設された病院やジム、レストランにいけると滞在者からは好評です。
また病院も順番が来るまでコンドミニアムで待機して、薬の受け渡しも好きなタイミングでできるので、診察や薬局で待つストレスもありません。

冬は一面雪景色が広がる
野口

私たちはこの施設が必ず受け入れられると思っていましたが、その想像をはるかに超えて、宣伝を開始してから、わずか6ヶ月で完売しました。

板垣

完成半年前に完売したことは、予防医療の必要性が受け入れられたということでもあり、私たちにとっても本当に嬉しいことでした。この完成は、やっと予防医療の体系化に向けてスタートラインに立ったという感覚でもあります。治療だけをする病院ではなくて、予防もする病院。その理想の姿に向けて、行政や周辺地域と連携しながら、この旭川でさらに邁進していきたいですね。
一時はこの事業が計画で終わってしまう可能性もありました。この諦めの悪い四人が集まったことに、本当に感謝しています。

野口

毎回どうにもこうにも行かなくて立ち止まると、なぜか星さんから電話が来るんですよ(笑)それで「このままではいけないから、前に進もう」と働きかけてくださるんです。このメンバーの誰か1人かけても成立しなかった事業ですよね。

櫛井

本当にそうですね。
今回の事業を通して、これまで不動産のマーケットが小さいと言われていた旭川市の購入意欲が顕在化されたことも、大きな成果だと思います。最近では、他のデベロッパーからも気になる場所になってきているんです。「何かできそう」と思う人が増えると街は必ず変わっていきます。旭川市がもっと元気になる、そんなきっかけを作った事業でもありましたね。

今回の事業では、病院が隣接し、自然豊かな抜群のロケーションにありながら、「ウェルネスセンター構想」の要を担う滞在機能を実現できないという課題がありました。
しかし、森山病院、行政、関係者と施設のあり方をゼロから考え、滞在施設「ヘルスケアコンドミニアム」を作ることで、医療・食・運動・滞在からなる「ウェルネスセンター構想」を成立させました。
板垣さんが取材の中で、「施設の完成は、事業のスタートラインに立ったということ」とおっしゃったように、これからもこの事業がどう成長していくのか、私たちも見守っていきたいと思います。

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