完成までのストーリー

二人の新しい暮らしは、
ちょっとした工夫で心地よく、おしゃれに。

2023.04

私たちフージャースは、お住まいの人の暮らしや将来がより良いものになるように、それを実現するにはどうしたら良いか考えるために、物件を作る前に、暮らす人のことを想像する時間をとっています。
プロジェクトメンバー全員で、これから入居してくださる皆さんの顔を思い浮かべて、どんな生活を送るのかを徹底的に考える。想像することは決して簡単ではありませんが、私たちはこの時間をとても大切にしています。
今回紹介する「デュオヒルズ春日井」では、それを、“暮らしのストーリー”として落とし込んで考えた初めての物件です。ストーリーを通して、自分たちはもちろん関係者も目線を合わせて、気持ちを1つに物件を作り上げる。「デュオヒルズ春日井」が完成するまでの、プロジェクトストーリーをご紹介します。

閑静な住宅街だから、むずかしい

JR名古屋駅から電車で約20分。名古屋へ通勤するサラリーマンのベッドタウンである春日井駅。2021年に再開発が行われ、駅前にはタワーマンションや商業施設、子育て支援施設ができるなど、生活利便性に優れ、暮らしやすいと人気の街です。今回のデュオヒルズ春日井は、そんな春日井駅徒歩6分と、好立地な場所に位置しています。
たまたまお付き合いのある不動産屋さんに紹介してもらい、2019年に手に入れたこの土地。初めて春日井駅を降りて建設予定地まで歩いてみると、小川が流れ、公園があり、戸建て住宅が立ち並び、静かで「住みやすそうな街」というのが第一印象でした。その反面、条件が整っているからこそ、一つに絞れるほどの特性がなく、どんな人がこの場所に暮らすのか明確なイメージが湧かなかったというのが本音です。

JR春日井駅(2020年撮影)

暮らしのストーリーから考える

物件を作るにあたって、最初はコンセプト作りから始めます。
小・中学校がそばにないこともあり、今回のターゲットは20代後半のご夫婦に。若いご夫婦でも手が届きやすいよう、住戸の面積を少し抑えて駅前の再開発で建つマンションより比較的リーズナブルな価格設定にすることにしました。
さて、ターゲットは決まった。しかし、住む人の明確なイメージが湧かずコンセプト作りは難航しました。
社内に相談してみると、「ここに暮らす人を具体的に想像して、どんな暮らしをするのかストーリーも合わせて考えたら?」とアドバイスが。そこで今回の物件では、コンセプト作りと並行して、居住者をより具体に想像できるストーリー作りも並行して進めていきました。

「朝。ドリップの香るリビングでニュースサイトをチェック。奥さまはキッチンで料理をするのが楽しそう。朝の忙しい時間の家事導線も考えられていて、時間と心に余裕ができたと喜んでいる…」

「欲しかったあのペンダントライトを、休みの日に買いに行って…でも、DIYまではハードルが高そうだよね」

「引っ越したら、インスタグラムで引っ越し報告…友だちに伝えたくなるようなデザインの家が良さそう。入居したあとも、手を掛けずに、すぐにおしゃれに見えるインテリアだといいよね」

暮らしを想像しながらストーリー作りを進めていった

こんな風に、メンバー全員で暮らす人に思いを寄せて、ストーリーを考えるという作業を繰り返しました。
こうした議論の結果、DIYなどの知識がなくても、少し手を加えるだけで、自分らしい色を出せるような住宅を作ることを決めます。
振り返ってみると、チームのメンバーが今回のターゲットに近い年齢だったこともあり、自分の事のように住む人の気持ちを考えたこの時間があったおかげで、設計や販売に至るまで、気持ちを1つにしてプロジェクトを進められたのだと思います。

長く愛されるデザイン

デュオヒルズ春日井では、デザイナーを起用して外観や共用部デザインを進めていきました。
閑静な住宅街の中で、シンプルでありながら、しっかりと目を引くデザインとは何かを考えて、白やグレーといった軽やかでありながらモダンな色を基調とすることに。一方で、「自然豊かなこの土地を感じてほしい」という思いもあり、植物や水といったデザインを取り入れていきました。
例えば、ラウンジはギャラリーをイメージして、シンプルな空間の中に映える、水面のように光を映し出すアートウォールを設置しました。また、バルコニーには、草木をイメージしたオリジナルのガラスを採用しています。光が差し込むと、バルコニーに落ちる影が、草木のゆらぎのように見えるデザインです。

アートウォールを採用した共用ラウンジ(2022年撮影)
草木をイメージしたバルコニーのオリジナルガラス(2022年撮影)

こうして、シンプルでありながらも洗練された、美術館のような建物に仕上げていきました。美術館のような普遍的で長く愛されるデザインを実現することが、外観や共用部完成に向けての指針となりました。

シンプルでありながらも長く愛される建物デザイン(2022年撮影)

がんばらない。でも、おしゃれ。

今回、特に悩んだのは住戸の設計です。通常であれば、物件とは別の場所にモデルルームを作り、そこで集客をするのが一般的。しかし、今回は完成物件の一部屋をモデルルームにして販売するため、販売中にお客様の要望に合わせた間取りや設備に変更することができませんでした。つまり、こちらで最初に用意した住戸の満足度をいかに高められるかがポイントでした。
また私たちが考えたストーリーでは、頑張りすぎずに憧れの家に住めることを想定していたので、手持ちの家具と少し買い足すだけで自分らしい暮らしが作れそう、と思ってもらえることも大切にしました。

そこで、モデルルームを見ていただいた時からおしゃれな暮らしが想像できるよう、また入居後も自分でカスタマイズしやすいように設備を決めていきました。居室にはアクセントクロスを採用。また、ペンダントライトや緑を吊るすことができる照明用のダクトレールを標準設備として設置しています。色使いにもこだわって、ダクトレールはシックなブラックにしました。
本来であれば、居住者がカスタマイズをしたり、好みの部屋に仕上げていくものですが、先にこちらで暮らしのテイストを作りあげるという点が、今回の挑戦でした。

ペンダントライトを採用したダイニング(モデルルーム・2021年撮影)

早まる気持ち

2021年4月に販売開始。嬉しいことに物件は順調に売れ、引き渡しのタイミングまでにはほぼ完売しました。
お客様からは、「この金額で、この設備仕様の、おしゃれな家が欲しかったんですよ」と声をかけてもらい、とても嬉しくなりました。近隣のマンション相場よりも手頃であったことから、比較的若い人が購入してくれたということもありますが、「契約書を記入するのも楽しいし、早く引っ越したいですね。」と嬉しそうに言ってくれたことは、この先も忘れないと思います。

今回の物件では、メンバー全員で暮らしのストーリーを作り、居住者のことをしっかりと考える時間を設けることからスタートしました。それが住戸や外観、販売戦略へとつながり、ストーリーが検討者の心を動かすきっかけにもなりました。思いが伝わっているという実感を、物件作りを通してこんなに感じる体験は初めてのことです。
住まう人のことを、どれだけ考えられるか。今後もこの時間を、この工程を大切にしていきます。

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