完成までのストーリー

デザインも間取りも暮らし方も、
私らしく彩っていく。

2022.03

私たちフージャースがマンションを手がける中で、これまでで最も小さい土地に建てたのが、今回紹介するデュオヴェール大濠公園CLASSです。土地が小さいために、作ることができる部屋の広さも、もちろん小さくなります。この制約を、ものづくりの力で物件の魅力に変えた「デュオヴェール大濠公園CLASS」のプロジェクトストーリーをご紹介します。

64坪の小さな土地

この土地との出会いは、お付き合いのある不動産屋さんからの紹介でした。話をもらった時から、福岡市内で人気の「大濠公園」という立地の良さ、そして2024年には物件の目の前に芝生の公園がオープンするということで、土地への期待は膨らみました。
実際に訪れてみると、中高層のビルや共同住宅が密集する都心部ではありましたが、建物の向かいの道路の電柱は地中化され、向かいの小学校跡地は公園になる準備が進められていました。
「公園が完成したら、広い空と緑が目の前に広がる…」。そう思うと、なんとも言えない開放感に包まれました。また同時に、「いい場所で、いい物件を作ってみたい」という強い気持ちも生まれました。
その後、社内の賛成もあり、私たちはこの土地を購入することになったのです。

写真左の小学校跡地で、芝生広場を中心とした開発が行われる。(2020年撮影)

大濠公園に住む

土地の購入手続きを進めていくのに並行して、社内ではどんな物件を建てるか検討を進めていきました。
今回の土地は、大濠公園駅から徒歩6分と好立地。「大濠公園エリアだから、この家に決めました」という人がいるぐらい人気のエリアです。社内では賃貸物件にしてもいいのでは、という声もありました。けれど、目の前の公園や眺望、電柱の地中化、そして周りにはセンスの良い雑貨屋や、1人でも気軽に入れる飲食店が多くあったことから、女性のための新築コンパクトマンション「DuoVeel(デュオヴェール)」を作ることにしました。大濠公園エリアでは過去にもDuoVeelを建てたことがあり、そこが人気だったことも決め手になりました。

大濠公園エリアにはおしゃれなカフェやベーカリーが数多くある(2021年撮影)

私らしい暮らし

福岡市内で私たちが手がけたコンパクトマンションの購入者の傾向を見てみると、メニュープラン※を選んだり、モデルルームとは異なる壁紙や床の色を選んだりと、マンションでありながらも、自分の好みを反映した家づくりを楽しんでいる人が多いことが分かってきました。
「入居者が、自宅での暮らしや周辺の環境によって、『私らしく』いられるようにしたい」。
その思いから、今回の物件ではメニュープランの提案内容を充実させて、自分で選択できる幅を広げることを決めました。こうすることで、こだわりがある福岡の人に対して、唯一無二の家を作りたかったのです。

※メニュープラン:早期にご契約をいただいた方を対象に、複数のプランの中からお選びいただき、基本プランから部屋の間取りを変更するオプションプランのこと。

小さいことを柔軟に考える

しかし、ここで課題が。それは64坪という土地の小ささから、作れる住戸の広さが、同じエリアの物件と比較して小さくなってしまうにも関わらず、価格が高くなることでした。デュオヴェール大濠公園CLASSの占有面積が約40㎡に対して、同じ価格で50㎡を超える物件が周辺にはありました。
価格を下げることは難しい。だからこそ、ものづくりにこだわりたい。そんな時にメンバーの1人が「プライベートポーチ」を提案してくれたのです。

プライベートポーチとは、共用廊下でありながら、自分だけの空間として使える玄関横のバルコニーのような空間です。これを作ることで、部屋の広さにプラスして、居住者が自由に使える空間を増やすことができます。また、プライベートポーチは半屋外ですから、汚れることを気にせずに、思い思いに趣味を楽しんでもらうこともできるようになります。
「今回の物件の特徴になるに違いない。やってみよう」。
この時、プライベートポーチの前例は、過去に1件あっただけ。そのため法律上、管理運営上の課題をクリアすることや、いかにお客さまへ分かり易く伝えるかの取りまとめに苦労しました。法務や管理会社と協力しながら、居住者が少しでも使いやすいようにと、契約図面や重要事項説明、管理規約でわかりやすい文章へと落とし込んでいきました。
また、居住者がより自分の家に愛着が持てるように、玄関扉・床の仕上げ・ブラケットライトなど、プライベートポーチのデザインも選択できるようにしました。

暮らしのこだわりに合わせて、玄関扉・床仕上げ・ブラケットライトを選ぶことができるプライベートポーチ(2021年撮影)

また、セキュリティ性とプライベート感を高めるために、お住まいの住戸側の扉だけが開閉する「デュアルエレベーター」を設定しています。これがプライベートポーチとあわさり、扉が開いた瞬間に感じる個邸感覚を演出してくれます。

こうして当初は課題とされていた土地や住戸の広さは、プライベートポーチや、デュアルエレベーターの発想へと繋がっていきました。内覧会で、住戸階のエレベーターの扉が開いた瞬間に、自分で選んだライトや床、玄関扉を見た購入者の方から、驚きと嬉しさの混じった声が聞こえてきた時には、私たちも「チャレンジしてよかった」と心から思いました。

居住者の色を反映する

こうして、デュオヴェール大濠公園CLASSは当初の想定よりも早く売り切ることができました。2021年9月には引渡しが完了し、今は居住者の皆様が思い思いにプライベートポーチを楽しんでいると聞いています。
今回の物件ではメニュープランにも力を入れました。その中には、海外ドラマに出てくるような3.7畳の広いドレッシングルームを選んでくださった方もいます。その部屋も、どのように使われているのか気になるところです。

「私らしく」暮らしてほしい。その願いを込めて作ったデュオヴェール大濠公園CLASSは、居住者の方それぞれの色を反映した家へと、着実に変化しているようです。
私たちにとって小さい土地へのチャレンジは、新しい商品を生む機会になりました。そして、ものづくりにこだわることが、物件の価値になることを確信できた、貴重な機会となりました。

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