完成までのストーリー

都心のそばで、
自分だけの生活空間を。

2026.3

フージャースグループが手掛ける賃貸不動産は、「この場所に、いちばんの答えを」というメッセージのもと、投資家と居住者の両方の目線に立ち、場所や手法はそれぞれでも、この場所における最大価値を追求する開発を目指しています。
今回は、JR蒲田駅から徒歩6分。商業性の高い立地でありながら、隣地に神社・高層ビルというスケールの異なる、新旧の建築物が混じった環境の中での取り組みです。賃貸住宅の開発を通じて、居心地の良い住まいのあり方と、周囲の景観との調和を模索しました。
「デュオメゾン蒲田ウェスト(以下、DM蒲田ウェスト)」のプロジェクトストーリーをご紹介します。

自分たちにできること

JR蒲田駅から徒歩6分。商店街の喧騒から一本道を隔てたところに、DM蒲田ウェストはあります。元々はホテルがあったこの場所に、縁あって、私たちは賃貸マンションを建てることになりました。
建築チームが最初にこの場所を見た時の印象は、ポジティブなものばかりではありませんでした。土地は細長く、建築するのに前面道路は4メートルぎりぎり。隣地には神社と高層マンションが並び、スケールが異なる新旧の建築物が混じる角地です。与条件の多さに「この場所で自分たちにできることとは何だろう…どう取りまとめたらいいのだろう…」と、頭を悩ませました。

マンション建設前の土地
マンション建設前の土地

しかし、そこで止まるわけにはいきません。「この場所に暮らす人にとって一番良い住宅のあり方はなんだろう」と気持ちを切り替えて、DM蒲田ウェストに取り組んでいくことを決めました。

重ねて奥行きを作り出す

計画地を歩いていて気になったのが、隣の神社の存在でした。神社は古くから街にあるにもかかわらず、時代の変化とともに周囲には大きな建物が立ち並び、一つ取り残されたかのように、街並みの中で周囲とは異なる趣がありました。
「自分たちのマンションで、この街並みを調整できないだろうか」。自己主張しすぎず、物理的な距離は作れなくても、隣地の高層ビルも含め、感覚的に余裕のある街並みを作れるかもしれないと思ったのです。そこで、いくつかの工夫を施しました。

例えば、壁面の作り方に工夫を持たせることにしました。
緑豊かな神社と隣接する側は、4,5階のセットバックした部分に、背後のマンションに溶け込む淡い白色を外壁に採用することで、緩やかに神社へ向かう方向にスケールダウンさせていきました。こうすることで、建物の凹凸を目立たないようにしました。
また各住戸の窓には黒塗装のレイヤーを重ねて窓の存在感を薄め、その上から金属的な仕上げのレイヤーを重ねる事で、周囲から感じる窓の存在感を弱くして距離感を保つように計画しました。こうして色を重ねることで、実際に奥行きがなくても視覚的に奥行きが生まれるようにしたのです。

奥行きが生まれるよう工夫を持たせた壁面
奥行きが生まれるよう工夫を持たせた壁面

また、高層ビルが隣接する側は、高さを強調した塔状にして、角地のランドマークとなるように、上から下まで同色のタイルを壁に採用しました。

重ねて奥行きを出すという手法は、美術では当たり前のことですが、改めて建築で取り入れることで、周囲の建物との調和と余裕が生まれました。私たちなりの、この場所での最適解を求めて辿り着いたデザインです。

コンセプトは「隠れ家」

今回、もうひとつのこだわりが、住まわれる方を想像した間取りと内装です。
DM蒲田ウェストでは、蒲田という繁華街のイメージが強い街で、都心の便利さと賑やかさを求めつつも、自分の生活空間をしっかり持ちたい人、仕事や私生活においてオン・オフの切り替えを意識的に行いたい人が住まわれる方になるだろうと考えて、ものづくりに取り組みました。
そのため、街から住宅までの切り替えを段階的にできるよう、マンションの門扉をくぐってから、エントランス、各住戸までの照明を落ち着いた明度で調整し、意匠を施した廊下を通るようにすることで、街と住戸の距離感を作り出しました。コンセプトは「隠れ家」と置き、都心の喧騒から離れたプライベートな雰囲気を演出したかったのです。

マンションエントランス
マンションエントランス
住戸へと向かう廊下および階段
住戸へと向かう廊下および階段

また各住戸も「隠れ家」のコンセプトの通り、生活感の出る水回りなどは玄関側にまとめて、ダイニングには生活感が出ないように間取りを設計しています。暗い玄関から部屋に入ると、大きな窓から差し噛む光に包まれて、自分だけのくつろぎがそこには広がっています。

今回4、5階には自分の生活空間を楽しめるメゾネットプランも作りました。社内の一部では、階段の上り下りが必要なメゾネットに対して懐疑的な声もありましたが、「他の住宅にはない唯一無二のプランだからこそ、喜んでもらえるお客様がいるはず」と信じて実現に至ったのが、このプランです。

メゾネット住戸(4階)
メゾネット住戸(4階)

入居募集が始まると、私たちが想像していた以上のスピードで満室となり、メゾネットプランも、「ぜひ住んでみたい!」と、暮らしを心待ちにするお客様がいらっしゃいました。賃貸住宅だからこその「住んでいて、楽しい」を追求し、仕掛けを作ることの大切さを、改めて実感した瞬間でした。

多様化する暮らしのあり方を

今回のDM蒲田ウェストを通じて、私たちは建築の基本に立ち返れたように思います。街の文脈を読み取って、建築に活かしていく。ターゲットを考え、間取りに落としていく。その作業の繰り返しでした。

不動産の分譲事業はその価格特性から、一夜にてして劇的に仕様が変わるということは難しいものと考えます。ただ、賃貸という領域においては、その規模感からより柔軟で、多様な価値観に合わせた新たなチャレンジができるもののように思います。物件規模に合わせた工夫と、お客様の「ここに住みたい!」と思える気持ちを大切に、これからも長く色褪せない不動産開発に挑戦し続けて行きたいと思います。

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