完成までのストーリー

玄関前に庭を持つ、
プライベートポーチのある暮らし。

2025.11

フージャースがこれまでに手がけてきた数々の暮らしの中でも、最大級のプライベートポーチを備えた新築分譲マンション――それが「デュオヒルズ伏見(以下、DH伏見)」です。DH伏見は、稀に見る恵まれた立地に建てられています。その魅力を最大限に活かすために、私たちは知恵を絞り、1フロア2邸という贅沢な設計のもと、奥行き約4メートル・広さ約20㎡のゆとりあるプライベートポーチを実現しました。お住まいの皆さまが、それぞれのスタイルで心地よく過ごせるように――その想いを胸に、住まう方以上に想像力を働かせながら、このプロジェクトを進めてきました。

今回は、「デュオヒルズ伏見(DH伏見)」のプロジェクトストーリーをご紹介します。

希少な立地

名古屋駅から名古屋市営地下鉄東山線でわずか一駅、伏見駅から徒歩7分という好立地。繁華街が徒歩圏内でありながら、自然の緑も感じられるこの場所で、私たちはDH伏見という新たなマンションプロジェクトをスタートしました。
都心にありながら、西には仲ノ町公園、東には道路を挟んで白川公園という大規模な公園が広がる、まさに希少なロケーションです。
建築チームもこの土地を初めて見た瞬間、「これほど恵まれた場所はそうそうない。東西に公園があるのなら、その開放感を最大限に活かせる建物にしたい」と、自然と発想が湧いてきました。

名古屋市営地下鉄東山線・鶴舞線 伏見駅
名古屋市営地下鉄東山線・鶴舞線 伏見駅
マンション東側 白川公園
マンション東側 白川公園

玄関前に庭をもつ

DH伏見では、西側には仲ノ町公園を望め、東側には白川公園を望むことができるこの立地の魅力を最大限に引き出すため、1フロア2邸の構成とし、西側にバルコニー、東側にプライベートポーチを配する計画としました。さらに2方向から利用できるエレベーターを設けることで、降りた先から玄関までがその住戸専用の空間となり、玄関前にもう一つの”暮らしの空間”が広がることが、DH伏見の特徴です。

当初は「そこまで広いポーチは必要なのか?」という意見もありました。
けれども、本当に使われる空間を生み出すには、相応の広さが欠かせません。
周辺には競合物件も多く、差別化が求められる中で、約20㎡・奥行き4メートルのゆとりあるプライベートポーチを設けることで、専有部と一体となった半屋外の暮らしを提案したい――そう考えました。

デュアルエレベーター・プライベートポーチ概念イメージイラスト
2方向に昇降可能なデュアルエレベーター
エレベーターを降りると、各住戸の玄関へ
エレベーターを降りると、各住戸の玄関へ

実現に向けた検討

一方、このプライベートポーチの構想において、私たちの前に立ちはだかったのが「容積率」の問題です。
建物を建てる際には、敷地面積に対して建築可能な延床面積が法律で定められています。もし今回のプライベートポーチ部分が容積率に算入されてしまうと、居室面積を削らざるを得ず、事業上計画そのものが成立しなくなってしまいます。

この課題を解決するため、担当チームは審査機関と何度も協議を重ねました。詳細の技術的な説明は省きますが、各住戸の前に自転車置き場を設ける必要があったことや、この物件特有の条件を丁寧に検討した結果、定められた容積率の範囲内で構想を実現できる道を見いだすことができました。

暮らしを具体的に想像する

こうして実現が見えてきたプライベートポーチは、居住者の皆様に暮らしの一部として利用いただくために、たくさんの細やかな工夫を詰め込んでいます。

工夫の一つが「動線」です。
玄関を出てからプライベートポーチへ向かう動線では、一手間かかってしまい日常的に使いにくいと考え、ベッドルームから直接プライベートポーチに出入りできるように設計しました。
さらに、設備面にもこだわりました。
水洗いや掃除がしやすいようスロップシンクを設け、DIYやアウトドア用品のメンテナンスに使える防水コンセントも設置しています。また、ハンモックや植物を吊るせるフックを設けることで、思い思いの過ごし方ができる多目的な生活スペースを実現しました。

通常のポーチは床の長尺シートを灰色にすることが多いですが、室内とのつながりを感じられるよう、木目調のデザインを採用したのもこだわりの一つです。

居室から出入りが可能な動線
居室から出入りが可能な動線
実際の暮らしの場面をイメージし、スロップシンクやフック、コンセントなどを設置
実際の暮らしの場面をイメージし、スロップシンクやフック、コンセントなどを設置

こうして完成したプライベートポーチは、単なる屋外スペースではなく、実際の暮らしをイメージしながらスロップシンクやフック、コンセントなどを配置した“もう一つの生活空間”です。
一見するとシンプルに見えますが、ハンモックを吊るすフックひとつにしても、マンションの鉄筋に溶接する必要があったり、設置位置を何度も検討したりと、試行錯誤を重ねてようやく形にすることができました。

想像を超えた使われ方

こうして DH伏見 は、2024年8月に無事竣工を迎えました。
周辺には競合物件も多くありましたが、立地の希少性やプライベートポーチの新しさを高く評価いただき、多くのお客様にお選びいただく住まいとなりました。

「他のマンションにはない“プライベートポーチのある暮らし”を体験してみたくて」
「プライベートポーチを見た瞬間、趣味のアウトドアがもっと広がるイメージが湧いた」
このような嬉しいお声も寄せられています。

また最近では、お住まいの方々がプライベートポーチを活用してホームパーティを開いているというお話も伺います。
計画上、住人同士が集える空間を共用部に設けることができなかったため、居住者同士の交流は生まれにくいかもしれないと当初は考えていました。
しかしその予想に反して、「家の中に入らなくても、プライベートポーチで気軽に団欒ができる」と、ご家族同士の交流の場として利用いただいているそうです。これは、私たちにとってとても嬉しい誤算でした。

実際の暮らしの様子(2025年撮影)
実際の暮らしの様子(2025年撮影)
建物西側全景と仲ノ町公園
建物西側全景と仲ノ町公園

改めて振り返ると、DH伏見は立地に恵まれ、方向性が明確でありながらも、「暮らしの一部としてどう活かしてもらえるか」を常に意識したプロジェクトでした。
設計の観点からも、建物管理の観点からも、お住まいの方の利用シーンを何度も想像しながら検討を重ねました。ハンギングフックの位置ひとつにまでこだわり、丁寧にものづくりを進めたことを今でも鮮明に覚えています。

また、事業に携わった社外のパートナーの皆様とも、現場の声を尊重し、互いの信頼関係を大切にしながら、妥協のない姿勢でものづくりに取り組むことができました。この場を借りて改めて感謝申し上げます。

そして今、完成後のDH伏見では、プライベートポーチがアウトドアリビングとして、ペットとの時間を楽しむ場所として、あるいはホームパーティの場として──お住まいの方それぞれの暮らしに合わせて活用されています。
その様子を拝見するたびに、私たちの想像を超えた使い方に思わず「素敵な暮らしですね」と声をかけたくなります。

これからも、お住まいの皆様が思い思いの過ごし方を楽しめるような暮らしの空間を、私たちは提案し続けていきます。

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